愛されるのがこわい?
両親が大げんかをした。
ちょくちょく言い争いの多い2人ではあったけど、大きいケンカは久しぶりだ。
母は泣きながら言い返していた。
私の胸が痛んだ。
2人の言い争いが、私の心の奥底にある恐怖と闇を大噴出させた。
両親のケンカを昔からみて、やりとりを聞いているうちにいつしか私には
「2人はいつか絆が切れてしまうんじゃないか。
本当はそんなに愛してないのに、仕方ないから一緒にいるだけなんじゃないか。
本当はいろいろなことを我慢していて、いつ爆発するかわからないんじゃないか」
不安を抱えるようになった。
いつか私も見捨てられるんじゃないだろうか。
この幸せが、家族の絆が崩れ去ってしまうときがくるんじゃないだろうか。
そんな恐怖を感じるようになっていた。
ケンカをして母を責めているときの父の姿をみて感じるのは
口ではどんなに憎らしいことを言ってても
「母の愛を確認したい。試したい
俺のこと愛してるならそれくらいできるだろう」
ただ愛されていることを確認したい。愛してほしい。必要とされたい
訴えたいことはそれだけ。
自分の期待通りの愛が返ってこないとスネたり、母を責める。
本当はただ愛されたいだけなのに、理論武装された言葉を並べ自分を正当化し、素直になれない。
父の闇だなと思った。
社会的地位は高いし仕事に関してはいつも自信満々にみえるけど、本当はいつも世間や周りの評価に怯えている。
本当は不安だらけだけど、弱い自分がバレないように必死に虚勢を張り自分を正当化する。
傷つくのが怖いから、自分が傷つくまえにシャットダウンし心を閉ざす。
そんな父の姿が彼に重なりました。
彼もこうだったなあって思いました。
当時は彼の言動が理解できなかったけど、今なら気持ちが少しわかる。
弱くて小さくて臆病な彼。
私はいつしか、愛されたいけど愛されるのが怖いと思うようになったのかもしれない。
両親から受け継いでしまったと思われるこれらの感情の中に、私の不安や恐怖の根源がある気がする。